生き物だから面白い2011/01/13 00:06:14

言葉というやつは、実に面白いなとあらためて考えさせられた。
というのは手話表現で新しい表現を覚えたのだけれど、昨日の手話サークルの仲間とその話が出たときに、わたしが表した新しい表現がまったくわからなかった、というのだ。

「旅行」という単語である。
わたしは2通りの表し方を知っている。①左のてのひらのわきで右の人差し指と中指を回す②両手の人差し指を頭の前後で交互に振る

①は、蒸気機関車の車輪の動きから、というのが語源だ。②はもともと「遊ぶ」という言葉だったのが派生している。

ところが『「新・手話教室入門対応」 実用手話単語集』によると、両手の人差し指を前に向け、同時に弧を描きながら左右に振る、という。

はて……これで「旅行」だとわかるだろうか?
たぶん推測だけれど、バスのワイパーか、手漕ぎの船のオールかなにかが語源由来ではないかと思うが、しかしそうだとしてもピンとこない。
……こうやって毎年つくられた新しい表現も、定着するのはわずか10%くらいだとか。

聞こえる人の世界をみても、言葉のはやりすたりがある。たとえば毎年暮れに発表される「流行語大賞」をみるといい。あっというまに広がり知られたはいいが、使われなくなったり記憶にさえ残らなくなったりした言葉のほうがずっと多い。2010年は「~もっている」「AKB」「女子会」などという言葉が話題になったけれど11年はどうだろう。年末にまたこのことで書いてみようか。ともあれ、言葉も生き物であり面白い。

結局は、言葉を作るのも使うのも人間しかない。人間だからこそ言葉を持ってコミュニケーションを図り、口や手で会話をする。コミュニケーションのなんとすばらしいことか。
せっかく聞こえないからだに生まれたんだから、手話をもっともっと覚えて豊かなコミュニケーションの世界をつくりたいものだ。