手書きの魅力2010/12/07 22:50:38

愛用の万年筆
仕事の帰りに文房具店に行って、万年筆のメンテナンスを頼んできた。
どうやらインクが詰まっていたらしく、綿棒でキャップ内部を掃除してもらったほか本体のなかにたまっていたインクをスポイトで出して水を入れて洗い流してもらったら、まるで買ったばかりのように書き味がよくなった。

パソコンだのスマートフォンだのケータイだの、便利なものに囲まれている生活。
これはこれでいいのだけれど、キーボードばかりたたいていると、書く字がものすごく汚いものになってしまうような気がして、ペンを持って書くという動作が衰えてしまうような恐怖にも近い思いを感じてしまうのだ。

もう少しいうと、キーボードでたたいて字が出てくる。それがあたりまえになってしまい、覚えているはずの字が出てこなかったことがある。記憶力の低下とは言い切れないけれど、ちょっとこわい。

恋人や親しい人にあてて手紙を書いたりもらったりするのが、手書きの一番の魅力と楽しみだろう。メールだと即座に返事が来ないと不安になるから、あまり好きにはなれない。
わたしのペンケースの中には野球の折れたバットやウィスキーの古いたるの廃材でつくったボールペンもあるが、なんといっても万年筆に勝るペンを知らない。字の濃淡、きれいな字か読みにくい字か? 体調は? 気分がどうであるか? 万年筆で書いた字がそれらを如実に教えてくれる。
パソコンやケータイは、電気がないところでは使えないけれど、いつでもどこでも書いたり読んだりできるから、旅行に行くときでも仕事のときでも万年筆と聖書、補聴器だけは手放せないね。

……あ。補聴器は電池がなくなったらそれでもうおしまい。