カルチャーギャップ2010/11/10 01:32:03

日本語の言い方でよく出てくる「あまり~」。
たとえば「今日はあまり食べたくない」。食べたいのか食べたくないのか
はっきりしない。聞こえる人同士だったら「せっかくつくってくれた人や誘ってくれた人に悪いから」などというだろう。けれどろう者はそういうことよりも、はい、いいえ、とはっきりさせないと通じない。わたしのような中途難聴者なら、聞こえなくなるまでのプロセスで聞こえる人がもつ、あいまいな言い方や感情を理解できる。けれどろう者にはそういう感覚はわかりにくい。
奥歯にものがはさまったような、婉曲な言い回し。うんともいいえとも違う言い方。たぶん日本語を学ぶ外国の方にとって、これ以上にわかりにくい言い方はないだろう。

手話を学んでみて、否定的な言い方はそれこそあまり使わない。
どちらかというと「イエス」か「ノー」か、はっきりした言い方をする。ろう者が使う手話は英語の発想に似ている。

そのずれ。
聞こえない人と聞こえる人のずれを埋めるのはたやすいことではない。
だけど聞こえる人に合わせろ、でも聞こえない人に合わせろ、でもなく、なるほどそういう考え方をするんだね、というふうにお互いが理解する方向にもっていけないか。

ろう者と聞こえる人がともに分かり合えるために。