PRECEDENTE2010/06/26 00:14:43

これはなんでしょう?
来週土曜日から、いよいよ声の方のご指導にも入る。
いろんなことがあるけれど、これからの残り3カ月を大事に過ごしたい。

先日ある新聞でとてもひかれる記事を読んだ。

原因不明の病気にかかり、その後気管切開、人工呼吸器をつけながら歌い続けている、女性声楽家の記事だ。

手術してのどに器具をつけた。一週間して出した声は懐かしかった。「歌うなんて聞いたことがない」という医者に、「前例がないだけ」と言い返したという。

タイトルにつけた「PRECEDENTE」はイタリア語で「前例」という意味だそうだ。

今日の難聴者協会の会議のあと、久しぶりに知人女性(もちろん難聴者)と食事を共にして、舞台のこと、手話、将来の人生設計など、語り合った。わたしも普通に話せる口と補聴器を外したらほとんど聞こえない耳をもらった。そして手話と声、からだ全体で表現したいという夢がある。

わたしの周りで朗読をやっているというのは聞こえる人ばかりだ。逆にいえば聞こえない人間で朗読をやっているのはわたしだけ。まして朗読と手話で舞台に立ちたいというのは、ほんとうに前例のないことかもしれない。

だったら、その「前例」になってやろうじゃないか。

強い気持ちと意志、あきらめないこと。