父と子2009/06/30 23:33:17

『スター・トレック』 プログラム
久しぶりに古い友人と映画を見に行ってきた。
『スター・トレック』である。

いまNHK衛星放送でオリジナル、1966~69年にかけて放送された『STAR TREK』が放送されている。その後、アニメーション版(1973~74)、映画版(1979~94)、映画版『ジェネレーションズ』(1994)『ネクスト・ジェネレーション』(1987~94)『ディープ・スペースナイン』(1993~99)『ヴォイジャー』(1995~2001)『エンタープライズ』(2001~05)をへて本作が公開された。

オリジナルテレビ版も映画版もそれぞれに奥深いテーマと内容をもっている。しっかりした人物描写と、敵味方と区別したり勧善懲悪に二分したりしない、それでいて未来への希望を描いたドラマ性豊かな作品である『スター・トレック』だが、今回の作品は「父と子」がテーマではないだろうか。

まず冒頭部。クリンゴン帝国領海内を航行中の惑星連邦宇宙船USSケルヴィンが突如出現した謎の巨大宇宙船の攻撃を受け、死亡した船長の代わりに指揮を執ったジョージ・カークだが、退艦命令を出した直後にひとり艦に残り、手動で艦を操作して巨大宇宙船に突っ込んでいく。混乱の中で生まれたのは、のちにジェームズ・タイベリアス・カークと名づけられた、ジョージの息子。

バルカン星。
地球人との間に生まれたスポック。出自ゆえに差別されていたスポックがバルカン科学アカデミーに進むよう、父のサレックからすすめられるも、スポックは連邦宇宙艦隊への道を選ぶ。親子に溝ができてしまう。

『スター・ウォーズ』シリーズでもアナキン(=ダース・ベーダー)とルークのスカイウォーカー親子の関係が描かれたけれども、今回は憎しみというよりもわかりあえるということを主題にしているように思う。

一方は父を失い、一方は進路をめぐって関係がこじれる。
そのふたりがやがてエンタープライズでお互いの主義主張の違いやぶつかり合いをへて、協力し合っていく。
人間をしっかり描いているドラマだから、特撮に頼らない、濃密な作品に仕上がっている。

いずれDVDになるのだろうが、もう一度見たいと思わせるに足る作品だ。