冷静成熟した関係で2009/03/25 06:57:08

WBC連覇を伝える新聞と号外
一夜が明けて、WBCの日本代表連覇を伝える新聞報道を読む。
メジャーリーグのウェブサイトなどでも大きく伝えられているいっぽう、やはりアメリカにとってはメジャーリーグの開幕前のいまはあまり興味がない、というかスプリングトレーニングの延長線上にあると思っているのだろう。2013年の第3回大会はまだ開催地も期間も未発表だが、2度も決勝に出られなかったアメリカにとっては次回こそ正念場だろう。3月の開催にはメジャーリーグの各球団から否定的な声がある一方、バド・セリグ・コミッショナーは時期を変えるつもりはないらしい。反対に日本も含めた各国は、これまで以上にレベルを上げなければならないことはいうまでもないし、日本代表も、シーズン外にナショナルチームを作って積極的に対外試合をするべき時代になるだろう。なんといってもこれまではアメリカだけを考えていればよかったが、ベネズエラ、キューバ、プエルトリコ、オランダなどレベルの高い国もあることを忘れてはならない。

話を戻すが、一夜明けての新聞を読むと。
あの決勝戦が内容の濃いベストゲームだったからだろうか、おおむね韓国でも日本に対する称賛があると伝えている。
こういうムードは一時的なものにしてはいけないと思う。
ついつい国対抗戦となると感情がもろに表れて憎しみに近い報道さえ起こる。実際3年前の第1回大会ではイチローが「向こう30年、勝てないと思わせるくらいに」と発言して物議をかもした。日本代表選手への鼓舞のつもりだったのだろうが韓国選手と韓国内の日本への微妙な感情をかきたてたのは間違いなかった。
3年たって、日韓両国のライバル関係は依然としてあるけれど、韓国はむやみやたらに憎むような態度ではなかった。反対に日本は見下すような姿勢ではなかった。昨日の決勝戦、最後の最後まで勝負の行方がわからなかったベストゲームだったからこそ、日韓の選手は互いに相手をたたえる言葉を口にした。韓国の奉重根は「人生最高の一戦だった。アジアの韓国と日本がアメリカを舞台にみごとな試合ができたことが意味がある。日韓が世界でもベストの2チームだと思う」と語り、松坂大輔は「日本からアメリカ寄りにシフトした、パワーのある選手ばかり。日本とアメリカの野球をうまい具合に取り入れたバランスのいいチーム」と語った。そこまでお互いを認め合える関係になったのか。とてもうれしい。

日韓の合同チームがメジャーと対戦したらどうだろう。日本の投手力と守備、韓国のパワーヒットが組み合わさったら、ワールドシリーズだってやれるかもしれない。メジャーもいまやアメリカ出身の選手だけではないのだ。
そんなドリームゲームも見たくなってきた。