ただの離れ業ではなくて2009/02/03 21:02:35

昨日の第43回スーパーボウルについて、もう少し書いてみたい。

第4Qのロスリスバーガーからホームズへの逆転タッチダウンパス。
日本の新聞でも掲載された、ホームズのキャッチング写真は、ほんとうにつまさきだけピンと伸びている。
それを取り上げているのは当然のことだけれど、プロとカレッジの違いを知らないと、ただ単にすごいプレーとしか取り上げられない。言いかえるとフットボールについての知識や選手経験がある人には、あのプレーはただの離れ業なんかではないと思うだろう。

カレッジ(アメリカではNCAAルール)で、パスキャッチは片足がフィールドに着いていれば、残りがフィールドから出てもパスキャッチ成功とみてくれる。もちろんケースバイケースで、すべてそうだとは限らないけれど。
ところがプロは両足がフィールドに着いていなければならない。サイドラインやエンドゾーンぎりぎりでは、絶対に両足が着いていなければ、パス成功とは扱われない。
だからプロ入りしたばかりのルーキーはこの違いで苦しむことになる。

あのプレーはそういうプロとカレッジの違いを理解していれば、ただの離れ業なんていう扱いはできないはずだ。

もっともあの残り時間何十秒もない場面、迫ってくるアリゾナ守備陣のラッシュをかきわけてよくもまあ、ターゲットをみることができたものだ。よほど普段からのQBとWRのコンビネーション、息を合わせ、なおかつ追いつめられた状況、エンドゾーン間近という場面で、いかにあせらずあわてず、ターゲットとなるレシーバーをみつけ、レシーバーもパスカバーに入ろうとする守備バックスをかきわけられるか。ロスリスバーガーだけではなく、オフェンスラインの支えなしにはできなかっただろう。もしオフェンスラインがしっかりQBを守ってくれなかったら、パスを投げることはできなかっただろうし、投げてもしインタセプトでもくらったら、もうおしまいだからだ。

まさにプロだからこそできる、離れ業ではない<スーパープレー>だ。