落ち着いてこころ穏やかに生きられない2008/12/01 23:12:32

都内の駅前にともったイルミネーション
きょうから師走。
あっというまに、というけれどほんとうにその通りだ。

昨日までの旅行の写真の現像とCD焼きこみを注文していたのができあがったと。仕事の後で取りに行く。
小雨の中自宅に戻り、洗濯物を干して一日を終えた。

写真は都内の駅前にともったイルミネーション。
思うんだけれど、エコロジーとか地球環境問題だとかいろいろ言われて、脱石油などと、今日の新聞にも書いてあるのに、どうしてこんなにイルミネーションがたくさんあるのだろう。

年末の街を、肩寄せ合い歩くカップルや恋人たちを見ながら、なかなか落ち着いてこころ穏やかに生きられないわが身を嘆息する、師走初日だった。

数少ない楽しみ2008/12/02 23:06:14

わたしの数少ない楽しみ。
抹茶ドリンクと、筆談である。

写真は、抹茶のアイスラテ(12月だというのに!)と、難聴者・ろう者向けの筆談ボードだ。手話ができないときには、このボードが欠かせない。

手話サークルなど、同じ障碍者同士の仲間以外は、あまり会話のない生活を送っているから、こういうときがほんとうにホッとする。

便利さは2008/12/03 23:03:27

アメリカを何度も旅しているが、多くの場合、というよりアメリカという国は、車なしでは生活が成り立たない、といっていい。
初めてメーンランド、アメリカ本土に足を踏み入れたのは、ロサンゼルスだった。
ロサンゼルス国際空港へ近づいた機窓から目に飛び込んだのは、幾多どころか無数に広がった高速道路。トロントもシアトルも道路網が張り巡らされていて日本の比ではないけれど、ロサンゼルスのそれはあまりにも広大無数にありすぎて、あいた口がふさがらなかったのを忘れることができない。

ところがこのロサンゼルスも、かつてはサンフランシスコのような路面電車があったときいて、目が点に。
1940年代、ロサンゼルスを縦横に走っていた路面電車がバス会社に買収され、バス会社の大株主はGM(ゼネラル・モーターズ)や石油会社、タイヤメーカーだったという。電車路線はバス路線に置き換えられ、1960年代には撤廃されたという。
ひとくちにロサンゼルスというけれど、この街はそれだけでゆうに関東平野に匹敵するほどの広さをもつ。住宅が郊外に虫食い状に広がる「スプロール現象」なのか、街が点在しているという状態らしい。それは都会の空洞化や治安の悪化などのマイナス面につながるという。

車なしである程度生活できるのは、ボストンやニューヨークなど、地下鉄による交通基盤が確立されたところくらい。あとはもう車なしでは移動すらできない。マイアミ、ニューオーリンズ、シアトル、ミルウォーキー、フィラデルフィア。どこもタクシーなしでは行けなかった。タクシー以外で球場に行けたのは、バスのあるサンフランシスコとBARTのあるオークランドくらいか。
ところが最近の報道では、路面電車を復活させようとか、自転車を利用するといった動きがあるという。

写真はオークランドの、少し前まで、マカフィーコロシアムという名称だった、Oakland Coliseumの周りを取り囲むように並ぶ駐車場に止められた自動車。向こうに見えるのはNBAプロバスケットボール、Golden State Warriorsの本拠、Oracle Arena。
ここだけではなく、フットボールスタジアムやベースボールスタジアム、ボールパークを取り囲む巨大な駐車場はアメリカ社会の象徴でもある。
だが、金融危機で車が売れないという問題だけではなく、地球環境を考えた場合、車に依存した生活はもはや終わりが近づいているのかもしれない。

便利さとはいったい、なんだろう。

誰もが宝を持っている2008/12/04 23:52:47

トロントで撮影した、公園の紅葉を思い出した。
もう12月。向こうは雪景色なのだろうな。

話は変わって。

電話の声など、もう補聴器でははっきり聞き取れなくなったこともあって、ここ数年ずっと、外部との通信コミュニケーション手段は携帯電話やパソコンのメール、ファクスがメーンになっている。
それでもたまのしかたないときは公衆電話の、音量を上げるボタンを「最大」に設定して電話をかけることがある。
公衆電話で聞くNTTの時報、東京モノレールの車内放送、空港のリムジンバス。
これらから流され聞こえる声は、人工音ではなく、機械でつくられた音でもなく、生きた人の声だという。
けさの新聞に、「音の匠」に選ばれたという、NTT時報「117」の声の主、中村啓子さんの紹介が掲載されていた。

留守番電話はかけたひとがイライラしないように語尾を上げてやさしく。リムジンバスは旅行者の旅の疲れをいやすために、低めのトーンで、だという。音声鑑定した専門家に「どこの出身で何歳なのかわからない」と言われたそうだが、おそらくご本人にとってこのおほめは冥利に尽きるのではないだろうか。

記事を読んでみると、もともとは引っ込み思案で声が小さく、学芸会に出られず、人前で話すのも苦手だったという。ところが授業で朗読をすると「良い声しとらね」と言われたという。その一言が彼女を変えるきっかけになった。変わったのだという。

自慢するつもりはないのだけれど、このあいだの箱根旅行でカラオケをやったとき、仲間から「きれいだね」と、手話つきダンスというかパフォーマンスをほめてくださった。今年9月の朗読舞台も、いろいろな言葉をあとでいただいた。このブログもこうして書くことが好きでありやりがいを感じる。できたら取材なりもっといろいろな世界を見て書いてみたい。
朗読や手話つきパフォーマンスも含め、やっぱり表現することが好きなのだ、とあらためて思う。

みんな誰もが宝物。誰もが宝を持っている。
人によってはそう感じられないかもしれないけれど、誰もが可能性を持っていて、生きる希望とちからがある。
だのに、他人のつまらない欲望や理不尽な暴力や危害のために、その可能性を花咲かせることなく、いのちを奪われた人もいる。暴力をふるった人も、そのために自分の可能性をつぶしてしまっている。

もしわたしに、明日しかないとしても、明日でこの世界とお別れすることになったとしても。けっしてつまらない人間で終わりたくない。
わたしは思う。今日という日は、わたしの人生が終わる、その始まりの日だと。

死んでもなお生き続ける。そんな人生を残したい。

みんな誰もが宝物。誰の中にも宝はある。神さまにとって大切な宝物。

少しでも笑っていられるように2008/12/05 23:30:12

おとといアメリカの自動車と道路や交通網について書いたと思ったら、今日になって、なんとF1レースに参戦、かつては故アイルトン・セナやネルソン・ピケ、アラン・プロストらといった、名ドライバーとチームを組み、何度もワールドチャンピオンに輝いたこともあるホンダが、今年限りでF1レースから撤退するという。
衝撃なんていう生易しいものではなく、けさからずっとホンダのウェブサイトはもちろん、あらゆるマスコミで取り上げられている。

セナが1994年に亡くなった時も、もしホンダが撤退していなかったらセナをあんなかたちで死なせなかった、とホンダのスタッフが悔しがったというが、今回ばかりはとても一企業で負える問題レベルを超えている。アメリカでもゼネラル・モーターズ社、クライスラー社の合併が再度議論に上がっているくらいで、あらためて自動車産業は曲がり角にあるのだということを実感させられた。

しかし、一方で切り捨てられてしまう、期間労働者や派遣労働者の問題も看過することは許されない。たしかに経済としての生存競争は避けられない以上、企業としての論理も無視できない。
かといって経済が企業が人間の生存権生活権まで奪っていいというものではないはずだ。

これからさき、あらゆる面で困難が吹き荒れるのかもしれない。

今日一日のわたしは、ひどく疲れ果てて、仕事中に荒い息を吐いたり首筋や肩がとてもこったりしていた。
だけど、笑顔でいることを忘れないように。机に向かっているときはしかたないけれど、人と向き合っているとき、会話を交わしているときくらいは笑顔でいたい。
見苦しいようなつくったような苦しい顔をすると、自分にも周りにも与える影響はよくない。
少しでも笑っていられるように、人生を笑っておくりたい。

「ポ」ではない、「ボ」だ2008/12/06 23:38:16

onomatope、オノマトペのまねをしようとしているのではない。

今日は終日とても疲れた。
「朗読のレッスン」2008年最終日。ひどい倦怠感と肩の痛みがあり、これが終日わたしを悩ませたのだが、かえって力を入れずにほどよい感じで読むことができたのかもしれない。
今回のテキストは、宮部みゆきさんの著書、『器量のぞみ』(新潮文庫「幻色江戸ごよみ」所収)。
――美人でもない、大女で醜女(しこめ)とまで言われた18歳の女性、お信が結婚する。嫁いだ先「木屋」の夫、繁太郎も妹も、自分に自信がないといい、鏡を手入れしたことさえないという。
それは、繁太郎にかつて一目ぼれした女性が病死し、そのたたりからだという。

男をひきつけるのは、器量だけではない。
お信も、大女だ醜女だと幼少時からいじめられこころの奥深いところに傷を負っている。だからこそ、人として生きていく上で、器量だけがすべてなのか、という問いを自らにもぶつけていく。

なんだかかつての自分を見ているような気がして、このテキストを学んだ初めから、身につまされ胸がひどく痛み傷つく。
今日の発表会もその苦しみを感じながらだったのだが、体調の悪さがいい意味で、力まずに読むことにつながったのかもしれない。

反省するとしたら、もうちょっと舞台にというか前面に出るべきだった。
来年は、厚かましくない程度に、積極的になってみよう。

朗読仲間とカラオケへ。
南のパラオ島に沈んでいる、旧海軍の零式艦上戦闘機を描いた海援隊の「パラオ・ゼロファイター」と、やはり海援隊の中牟田俊男さんと武田鉄矢さんが、酒を飲むしぐさや人生の折り返しにたどりついた男の年齢を描く「俺の人生真ん中あたり」を。
こんな歌が実感として感じ歌えるのは、やはりわたしもそれなりに年をとったのだろう。

とまで書いて。
手話仲間との飲み会に合流したときである。
「ポ」ではない、「ボ」だ。「ポキッ」ではない。「ボキッ」というような。
いきなり左の肩が激しく痛む。これまで経験したことのない、まるで切られたような痛みだ。

ううん。

温かくて……2008/12/07 23:09:14

かなり寒さがすすみ、これから3月ごろまで、肩こりもちにはしんどい時期が続く。

昨日の激しい肩の痛みは、若いころと違って、無理がだんだんきかなくなってきたのではないかということ。
そうなると、自分の身を守るのは自分しかない、ということに気づかされる。

今日渋谷のショップに注文してあったグッズを購入したあとで、思いがけないグッズを見つけた。
厚手のソックスである。

肩こりの原因のひとつは足の冷えがあるといわれる。
寝るときに、靴下をはいてはどうだろう。あるいは寝るときはさておき自宅でも靴下をはいてからだを冷やさないようにするのはどうだろう。

わたしは5本指のソックスをよくはくが、足の踏ん張りがよくきくこのソックスとは別に、お気に入りのチームのソックスがあったら、気分も楽しく過ごせるに違いない。

見てのとおりレイダーズのロゴマークがあり、つま先と足裏にそれぞれ「RAIDERS」とチーム名もある。はいてみてとても気に入った。

疲れた週末をゆっくり終えよう。

カレンダー2008/12/08 23:44:28

今日は8日。
太平洋戦争の開戦記念日である。
あの戦争はもちろん直接経験したことのない世代だが、いまもなお世界で戦火が絶えないことに、深い怒りと悲しみを覚える。

部屋に張ってあるカレンダーを、12月のページをめくり忘れていたことにいまごろになって気づいた。
2009年のOAKLAND Raidersのチームカレンダーを手に入れることができず、10月のトロントとオークランドの旅行で購入した、ArgonautsとRaidersのチアガールカレンダーが、壁を飾るだろう。

両方とも今年はひどいシーズンだったからねえ。

来年こそは、チームも社会も世相も、いい年であってほしい。

市民が涙を流さなければならないのか2008/12/09 22:30:42

雨が降る肌寒い夜。

今日一番わたしのこころを深く苦しめたのは、カリフォルニア州サンディエゴ市内の住宅街に、米軍の戦闘機F/A-18<ホーネット>が墜落し、破壊され炎上した家屋2棟のうち、1棟の内部にいた3人が死亡した、というニュースだ。

第一報を聞いた瞬間わたしの脳裏をかすめたのは、1977年9月27日、米海兵隊所属のF-4B<ファントム>戦闘機がエンジン火災を起こし、神奈川県横浜市緑区(現青葉区)の宅地造成地に墜落、幼子2人が事故翌日に死亡、母親も事故から4年4カ月後に亡くなったという事故だ。

1977年の事故も、今回の事故も、パイロットは墜落する前に脱出したという。
そのあとも沖縄で米軍ヘリコプターが墜落するなど、軍用機の事故は絶えない。

今回はアメリカ国内の事故だけれど、いつの世も軍隊によって市民が涙を流さなければならない。
広島も長崎もドレスデンも。バグダッドもそうだ。

米軍だけが悪いというのではない。ほかの国の軍隊はきれいだ正しいのだとは絶対に言えない。
軍隊は市民を守ると言いながら、見殺しにしているのではないだろうか、ということだ。

何ともやりきれない悲しい思いを感じた、今日一日である。

わが世の春……2008/12/10 23:06:14

今年9月にLehman Brothers Holdings Inc、リーマンブラザーズの破たんが起き、米国連邦破産法第11条の適用を申請したことにはじまる金融危機は、世界中に大きな影響をもたらし、連日のようにテレビや新聞、雑誌で大きく取り上げられています。

そんななか、こんな報道がありました。

NFLが職員10%削減 チケット販売不振を予測
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sports/134289.html

総収入6000億円のNFLも人員削減、2か月で150人
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20081210-OYT1T00382.htm?from=main5

世界のフットボールファンの大きな関心話題である、毎年2月にひらかれるNFLのチャンピオンを決めるスーパーボウルの入場料が、史上はじめて1000ドルになる一方、プレーオフのチケットを約10%値下げすると、National Football League(NFL)が先月発表しました。

チームにとってもリーグにとっても大きな収入源は、なんといってもスタジアム・球場に来てくれるお客さんです。試合観戦に来てくれ、ジャケットやTシャツ、ジャージなどのチームウエアやグッズといったスーペニア、試合パンフレットやドリンク、フーズを買ってくれる。チームウエアやグッズなどの売り上げはシーズン、シーズンオフに関係なく、収入が期待できます。
1試合だけのお客さんがいるいっぽう、シーズンチケットといって、ホームゲーム8試合全部を買ってくれるお客さんもいます。ウィンスコンシン州グリーンベイにある、Green Bay Packersというチームは、ホームゲーム8試合のシーズンチケットの希望者が30年先まで埋まっているとか。
スタジアムには、一般客とは別に、ラグジュアリーブースやスイートルームといって、大企業の社長や重役クラスが購入できる、高価で上品な部屋から観戦できるシートがあり、一般の観客とはまた別に大きな収入をもたらします。RaidersがOaklandからLos Angelesへホームを移し、またOaklandへ戻ってきたのは、Los Angelesという巨大な人口を抱えるマーケットゆえに、より多くのお客さんに来てほしかった。けれどLos Angeles市のメモリアル・コロシアムが老朽過ぎて(2度のロサンゼルス五輪で使われたスタジアム)、さらに周囲の治安もよくなかった。Los Angeles市にラグジュアリーブースやスイートルームの改善を求めたけれど受け入れてもらえなかったためといわれています。

球場は税金で建てられるため、市民の理解や支援がないと、成り立ちません。ここ10年あまりはスタジアムの命名権を売って企業にスポンサーになってもらうのが多いのだけれど、それにしても企業が倒産したりスポンサー企業が離れたり、見合った利益がなければ、チームにとってもスタジアムにとってもよくない結果になります。

次に大きな収入はやはりテレビやラジオです。スーパーボウルともなればコマーシャル放送を希望する企業がたくさんあるのです。そしてレギュラーシーズンの試合中継。試合前後も選手や解説者が出演したりコメントを出したりします。わたしが観戦した、9月の試合のときも、試合当日夜にRaidersの選手が地元オークランド、サンフランシスコのテレビ局のスポーツ番組に出ていました。

そんなことを思いながら、はじめに挙げたNFLの人員削減のニュースに、暗たんたる思いを感じました。
なんといってもNFLはアメリカでもまれにみる「優良企業」だったからです。32チームからなるNFLは、1チーム16試合の試合を提供し、「NFL TOTAL ACCESS」というネットワーク番組をつくるなど、9月から翌年2月までのレギュラー、ポストシーズンが終わっても、ファンをつなぎとめよう、興味を引き付けようとしています。そして総収入6000億円……。

写真に挙げたのは、わたしが観戦した試合のチケットです。76ドルとありますね。
これでも3年前から10ドルほどの値上げでした。

これからのNFLはどうなるのでしょうか。NFLだけではありません。メジャーリーグベースボールもバスケットボールNBAもアイスホッキーNHLも金融危機の影響をうけています。F1もそう。
もはや「わが世の春……」とはいかないように思えるのです。