やさしい愛の手のひらで　今日もわたしは歌おう ――I will sing with a palm of gently love today――

箱根へ。手話サークルの秋季旅行で訪れてきた。
この秋は旭川、トロント・サンフランシスコ・オークランド、そして箱根と、旅がいくつもあった。
そのあいだにつらく悲しい出来事もあったけれど、いくらかは気持ちをやわらげてくれた。

なんといっても旅館での食事がおいしい。
魚料理もさることながら、わたしの目を奪ったのは赤みそ。
静岡というと徳川家康であり、範囲を少し広げて名古屋・静岡に目を向けるとみそ汁、みそ料理やみそ文化とでもいえばいいのか、とてもみそがおいしいときいたことがある。
もちろんみそは東海だけではなく全国あちこちにおいしいものがある。博多のみそラーメンは五臓六腑にしみる味だし、北海道もみそラーメンは赤いみそ、白いみそとそれぞれ捨てがたい。

昔読んだ本に、戦国時代、いつ戦場にかりだされるかわからない、戦争になったらゆっくりと食事をしているひまなどない、と、戦時に非常食としてみそを練り固めてひも状にして携帯し、お湯であたためて食べた、という話をきいたことがある。
ともあれ、久しぶりの和食は、とてもこころをやさしくいやしてくれた。