やさしい愛の手のひらで　今日もわたしは歌おう ――I will sing with a palm of gently love today――

急に寒くなり、木枯らしが吹いたとニュースで伝えられた。

木枯しというとわたしは、天地真理さんの「真冬のデート」という歌を思い出す。

木枯し吹いてる　並木の道に　あなたと座るの　窓際に

こんな歌詞だったと記憶している。これを聴いた当時、わたしの住んでいた北海道は木枯らしどころか、雪が降っていた。へえ、真冬に木枯らし？　と雪のない、肌寒い世界を想像したものだ。

東京に出てくると反対に雪がないから、冬と言われてもピンとこない。
クリスマスもそうで、寒いけれど何かが足りない。雪がないからなんだね。

ともあれ木枯らしが吹いたというころになるとわたしは、ああ、今年も終わりが近づいているんだなあというさびしさのような感情に襲われる。