Wings to Fly2008/02/08 23:09:47

気のせいかな、久しぶりのめまいを感じた。歩きながら少しふらついてしまう。

今日は仕事の後で、いつも行く電器店のCDコーナーに立ち寄った。
先々週の休みを利用して、カノンという女性シンガーのアルバム「Primary Flowers」を探していた。新聞マスコミによれば、Amazonでしか手に入らないという話だったけれど、それでもどこかにあるだろうと、まず初めに立ち寄ったCDショップに注文した後日、ファクスで「メーカーが今後の製造も販売も予定はない。よって入荷もありません」という返事を受けていた。そんなこともあるだろうと、同じ日に初めに立ち寄ったCDショップとは別に、このアルバムを注文していたのだ。もしふたつ同時に入荷していたらまあそれはそれでダブルブッキングだけれど購入するつもりでいた。

このカノンというシンガーについて、実はわたしはまったく知らないのだ。
だがCDについているカードによると、聖歌隊出身者だという。それならゴスペルも日本の歌も洋楽も歌いこなせる、相当の実力を持ったシンガーなのだろう。
アルバム「Primary Flowers」のなかに、手話ソングでもやったことのある名曲「翼を下さい」の英語バージョンがある、ときいたのが、購入したいと思ったきっかけだ。
原曲が日本語の歌で外国語になっているものはいくつもあるだろうが、わたしがCDで持っているのは海援隊の「思えば遠くへきたもんだ」の英語版バージョンとイルカの「なごり雪」韓国語バージョンしかない。

さてこの「Primary Flowers」に収められている「翼を下さい」の英語バージョン。タイトルの訳は「Wings to Fly」。
英語詞はおおむね原詞、オリジナルの意味を正確にとらえ表現している。
そのなかでもっともひかれたのは次のくだりだ。

So high up in the air
With feathers bright and fair
Nor wealth nor power can make
My heart filled with such joy

どんな富も権力も わたしのこころをそれほど満たしてはくれないでしょう

とてもいいメッセージだと思う。
オリジナルの詞にはないくだりだが、だからこそ「翼を下さい」というタイトルの意味が、そして歌全体のメッセージがここに集約されていると感じる。

さらに挙げるなら、聖書のメッセージとも重なってくる。
マタイによる福音書6章16節からはじまる、イエスの言葉が重なってきこえる。「人は神と富の両方に仕えることはできない」。
カノンは聖歌隊出身者だそうだが、キリスト教ということを前面に出していないこのアルバムの中で、しっかりとメッセージを伝えている。
実に魅力的な珠玉の作品である。

「Primary Flowers」 Kanon SICL110 ソニー・ミュージック・ジャパン