ヒヤリ!2008/02/06 23:34:42

「おわ! 危ない!」。出がけに危うくぶつかるところだった。
コンビニを出て職場へ向かおうとしたときのこと。ドアを開けて一歩踏み出したところへ、前方からやってきたご高齢の女性が乗っていた自転車と危うく衝突する寸前だったのだ。たいしたことはなかったからいいようなもの、もし一瞬でもタイミングがずれていたらどうなっていただろう。というのも立ち寄ったコンビニは前が狭い歩道である。視覚障碍者のための点字ブロックがある、ごく普通の歩道であるが、幅が狭く、人2人も横に並んで歩くとぶつかってしまうのだ。

よくみると、そんな狭い歩道を自転車が行き交う光景に出会う。
最近の自転車の乗り方には問題が多い。
前後に子どもを乗せて3人で走る。携帯電話で通話やメールを打ちながら走る。携帯音楽プレーヤーを聴きながら走る。たばこを吸いながら走る。

実はわたしも自転車では苦い経験がある。
小学生のころ住んでいた、マンションの周囲を猛スピードで走っていたとき、ご年配の男性にぶつかった。指にハンドルをぶつけてしまったのだが、こっぴどく怒られた。自分の不注意なのだから怒られて当然だ。もうひとつ、2人乗りをしていて交番の前を通って警察官に呼び止められて説教を受けた。

子どものとき、母が前後に子どもを乗せて自転車をこいでいた。転倒事故を防止するため、子どもにヘルメットの着用をすすめるようだが、そのころは子ども用のヘルメットなど思いも考えもしなかった時代だ。たまにヘルメットをかぶらない親子をみると、大丈夫かなと不安になる。
まだ補聴器を外しても聞こえていたころ、携帯音楽プレーヤーを使っていたこともあるから、聴きながらという気持ちはわからないでもない。けれど聴きながらで、はたしてどれだけ自分以外の周囲に注意を向けることができるだろう。メールや通話をしながら、音楽を聴きながら、人や車の接近に気づけるだろうか。たばこは……。人とぶつかったときにやけどをさせていいのだろうか。昔JR船橋駅構内で子どもの目にたばこが当たって大やけどを負ったという事故を思い出す。
聴覚障碍者としては、接近されてもベルが聞こえない。前からならある程度注意を向けられるけれど、後ろからだとわからない。不意打ちをくらったようで、とても危なくて自転車が接近するとこわい、という聴覚障碍者が多い。

自転車に乗る側にも言い分はある。
道が狭いから車道に出られない。ご高齢の方には車に乗れなくとも自転車が大事な手段である人もいる。

警察は今後、自転車を乗るにあたって、携帯電話や音楽プレーヤーを聴きながら、子どもを前後に乗せる、などという場合、罰金を含む厳しい対応をするらしい。
一律に処罰するのは、問題ではないだろうか。やはり当事者の事情をよく聴いてからにしてほしいと、市民のひとりとして思う。

そもそもは自転車は車道を走るのが基本だ。だが自動車との事故があるなどで歩道を走るのが多い。そんななか、都内のある区で試験的に車道に自転車専用道路をつくったという。新聞記事をみると車道との区切りのガードも設置されている。
自転車と歩行者が安心して安全に行き交いできるためには、どうしたらよいのか。行政もわたしたち利用者もともに考えてみたい。