ヒーローはどこへいった2007/12/14 23:56:12

スポーツのテーマで何度も書いてきたけれど、今日という今日の記事はやりきれなさと怒りとを含んでいる。

メジャーリーガー、引退と現役選手あわせて80人以上が、なんらかのかたちで薬物を服用していた疑いがあると、薬物使用実態を調査したリポート「ミッチェル・リポート」が昨日(日本時間)報道された。そのなかには、ロジャー・クレメンス(ニューヨーク・ヤンキースほか)、エリック・ガニエ(ロサンゼルス・ドジャースほか)、ミゲル・テハダ(ヒューストン・アストロズほか)など日本でも知られた超一流現役メジャーリーガーのほか、レニー・ダイクストラ(フィラデルフィア・フィリーズ)、デビッド・ジャスティス(クリーブランド・インディアンズ)、モー・ボーン(ボストン・レッドソックス)といった引退選手も含まれている。

こうしてみるとメジャーリーガーに薬物がまん延しているなあと感じさせられる。
昔からスポーツ選手とドラッグ、薬物は切っても切れない縁にある、なかなか関係を絶てないといわれる。五輪選手しかり。

しかし。
やはりプロスポーツは夢を売る商売であり、子どもたちや社会にとってヒーローであるとも言える。わたしがプロフットボールやメジャーリーグの試合を観戦するのも、普通ではできないレベルゆえだからだ。いい年して、スタジアムに行って選手からサインをもらったり間近な席ですごいプレーを見せられると、長旅も時差もいっぺんに吹っ飛んでしまう。それほどスポーツ選手が与える影響は大きいのだ。

日本のプロスポーツ選手も積極的だけれど、アメリカではプロ、トップ選手であればあるほど、ボランティアなどの社会貢献運動が盛んだと聞く。それは高給ゆえに社会に対する責任があるからだ。そういった運動を行っているメジャーリーグやプロフットボールの選手たち。
だが今回のような薬物疑惑が取りざたされると、フィールドでの感動が薄れたり色あせたりしてしまう。それだけではない。薬物によって選手の身体をむしばむ影響にも目を向けるべきだ。

幸いにというか、日本人メジャーリーガーの名前はひとりも挙げられなかった。これは誇りに思っていい。
堂々と、己のからだと技術で大男たちと渡り合う。それこそが真のサムライである。

ヒーローはどこへ行った。