フットボール このすばらしい世界2007/07/15 23:33:34

今日が最終日の、第3回アメリカンフットボールワールドカップ川崎大会。
決勝戦では日本代表が惜しくも20-23でアメリカ代表に負け、3連覇はならなかった。

試合は序盤に1TD(FG成功)をアメリカ代表が挙げたあと、第2Qに日本が1TDと2FGを挙げて7-10で前半終了。しかしただでは終わらない。アメリカはリードしたからといってそのままにしてくれるわけはなく、日本代表は第3Qに10-10と同点に追いつかれたが第4Qに1TDと1FGを挙げ、再びリードするも、アメリカ代表も1TDと1FGで追いついて17-17。フットボールの母国の威信と名誉をかけたアメリカ代表であった。

試合は第4Q終了後、タイブレークから延長の第5Qに入った。
日本、アメリカそれぞれ1FGをきめて20-20。ここで再度の延長戦。日本が34ヤードのFGを失敗し、アメリカは23ヤードのFGを成功させ、23-20でアメリカンフットボールワールドカップ初参加初優勝を遂げた。

しかし、敗れたとはいえ日本は世界で2番目のアメリカンフットボール強豪国として名を残した。体格で劣るなか、堂々と渡り合ったのは誇りに思っていい。アメリカ代表は大学出たてでプロリーグのNFLのドラフトにかからなかったが、レベル・実力とも一級である。今大会アメリカは決勝までの2試合で対ドイツ代表戦の7失点しかない。そんな相手に堂々と20点もとったのは日本もフットボール強豪国と名乗っておかしくないであろう。

ちなみに日本は過去、1935年からアメリカとの交流・打倒を目的に何度も試合を重ねてきた。記念すべき初戦では明治大学が南カリフォルニア大学と対戦し、7-71で敗戦。以後、大学単独チームや大学オールスターチームの来日があり、また在日米軍も全関東、全関西、日本の大学オールスター・学生選抜や社会人と対戦し、アメリカとの対戦成績は23戦2勝20敗1分。1977年のブリガムヤング大学との試合は関東学生選抜、関西学生選抜、ともに61点、71点もとられた。明らかに実力差がありすぎるという声が出て、この試合がきっかけで一時、対アメリカ戦は途絶えた。

だが1989年のウイリアムメアリ大学の来日から、再び日本がアメリカに挑戦する機運が生まれ、1999年の第1回ワールドカップを前に日本代表の試合として組まれた、1998年の対フィンランド代表戦から、アメリカ以外の国とも試合を行うようになった。さきのフィンランド。メキシコ。ドイツ。フランス。スウェーデン。韓国。中国もフットボールを普及させようとアメリカがNFLに中国人指導者を招くなど取り組んでいるし、ロシアやスペイン、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、ノルウェー、ベルギーなどの欧州のほか、アジアでは韓国、タイ。南米はなんとブラジルやアルゼンチンも活動しているのだという。

今回の決勝、3点差は、1977年のコーネル大学軽量級との試合で記録した1点差に次ぐ点差である。当時とは比較できないかもしれないが、あと一歩、その一歩がなんと遠いことだろう。しかし下を向いてうつむくことはない。胸をはるに値する。
今日の試合までの在日米軍を含む対アメリカ戦成績は34戦4勝29敗1分(強化試合を除く)。

写真は川崎駅構内にあった、時計につけられた今大会のオブジェ。
川崎市がアメリカンフットボールの普及に積極的に取り組んでいることをよく表している。

だ円形のボールが育む、すばらしい世界。このすばらしい競技を若者たちが取り組んでいる姿に、尊敬と敬意を表したい。

アメリカンフットボール日本代表オフィシャルサイト
http://wc2007.info/japan/

国際アメリカンフットボール連盟オフィシャルサイト
http://www.ifaf.info/