戦争ほうき2007/05/28 21:19:38

いま静かに、小さなほうきのミニチュアアクセサリーがひろがっている。


長崎で広がる「戦争ほうき」 アクセサリーで平和を発信
http://arch.asahi.com/life/update/0502/SEB200705020017.html

ナガサキピース・ミュージアム
http://www.nagasakips.com/topics/topics_senso_houki1.html

 
これは、東京に住む環境市民団体、「ぽんぷスリーアールネットワーク」メンバーの入江篤子さん(55)が、91年の湾岸戦争と自衛隊派遣の動きに反対の意思を示そうと発案し、胸に着けたのが始まりだという。2005年ごろ、入江さんの知人を通じて「戦争ほうき」がミュージアムに届けられた。これをきっかけに、ミュージアムの運営メンバーが作ったり、全国各地から寄せられたりした戦争ほうきを来館者に配り始め、その数は3000個を超えた。
ナガサキピース・ミュージアムでは、戦争ほうきの作り方を紹介している。

映画「ドレスデン、運命の日」を見て思うこと感じることはたくさんある。
自分たちが神に代わって罰を与えるのだ、というイギリス兵士の言葉。ドレスデン大空襲のおよそ半年前、ハンブルクを襲った空襲の作戦名は「ゴモラ作戦」と名付けられた。聖書を読んでいれば、ソドムとゴモラの話からきていると、ピンとくるにちがいない。

そして、1945年2月13日のドレスデン大空襲は、戦争終結を早めるためとソ連に対して優位に立つために行った戦略都市爆撃だった。ソ連をけん制し優位に立ちたいために、原爆を投下したヒロシマ・ナガサキの構図と同じであることに注目しなければならない。「ドレスデン、運命の日」でドレスデンを含むドイツ東部への戦略都市爆撃を命令する上官に対し、抵抗する部下が描かれる。だが先に挙げた政治的意図から、彼の意見は押しつぶされ却下された。ドレスデンへの攻撃命令が下ったとき、一瞬困惑する彼の表情に、戦争の不条理さを感じたのである。

イラク泥沼化を予測 米情報機関、戦前に警告
http://www.asahi.com/international/update/0527/TKY200705260250.html

話はいまの、イラク戦争である。

<イラク戦争が始まる前の03年1月、開戦すれば戦後のイラク社会は亀裂、宗派・民族間抗争が起きかねないと米国政府の情報機関が警告していたことが、25日に機密解除された複数の報告書で明らかになった。ブッシュ政権が、泥沼の現状につながる問題を事前に指摘されていたのに戦争を始めたことが改めて浮き彫りになった>

イラクをフセインから解放するとして占領したが、国際テロ組織・アルカイダはイラクの政権移行期を攻撃の機会として利用するだろう。「武装イスラム過激派が資金や民衆の支持を増やし、対米軍テロ攻撃を実施する」可能性を指摘した、と報告書にある。

ブッシュは知っていてそれでもなお、戦争を始めたに違いない。
自分たちが正しいのだ、神の代わりに戦争をすることをゆだねられているのだと妄信していたのだろう。

人間がおこした災厄のためにどれだけ多くのいのちが失われなければならないのか。
戦争はいかに無意味であるか。まだ気づかないのか。

愚かな、としかいいようがない。