こんなありさまでは2006/11/10 22:02:15

半年間の長いシーズンを終えて、2年ぶりにひらかれた日米野球。春のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が初優勝という快挙と、メジャーリーグを中心にアメリカナショナルチームが負けたという事実。ベースボールの発祥国としてのプライドをかけて、やってきたメジャーリーガー。

対する日本は、そのWBCでの快挙と、シーズン中の選手組合、球団オーナー、リーグ運営機構側との話し合いで「日米野球は今年をもって終わりにしたい」と言ってきた。WBCで勝ったのだから日本は世界一のレベルだと言いたいのだろうし、シーズン後の疲れをとりたいという理由もある。

しかしどうだったか。
日本プロ野球は5戦戦って全敗。これは第2次世界大戦前の、ベーブ・ルースらが来日したとき以来だという。日米野球前に、25人の選手が出場の打診を断ったという。対するメジャーは単独チームではなく、オールスタークラスもいれば年俸6000万円クラスの選手もいればさまざまななかで、シーズン中と同じ、いやそれ以上に気迫のあるプレー、真剣勝負のプレーを見せてくれた。

長いシーズン後であることを理由にするのも、けがなどをおそれるのもわからないではない。けがをして来シーズンの契約や選手寿命にかかわっては困る。だがそれはメジャーも同じ。今回来日した選手の中には162試合のレギュラーシーズンを終えて、つい2週間前までプレーオフで戦っていた選手もいる。レギュラーシーズンが終わって長くて1カ月の間隔をおいて実戦感覚を取り戻すのはたいへんだ。単独チームではなくオールスターだから、コンビネーションもままならない。それでも彼らは本気で日本に来た。5戦全部勝つつもりだと言っていた。観光気分はほとんどなかったといっていい。例年なら養護施設などの訪問もスケジュールに組まれていたけれど、それもなし。京都や秋葉原を回っただけ。たしかに高額の出場料や契約やスポンサーなどのメリットはあるだろう。それでも、本気で戦った彼らを誰が批判できよう。

いったいどちらがプロであり本気であっただろう。

くどいようだけれど、シーズン後であること、故障をおそれるのもわからないではない。休みたいという気持ちもわかる。しかし辞退した25人の中には秋のキャンプに出ている選手もいた。キャンプもいいが、本気で来ているメジャーと対戦する機会なんてそうそうめったにあるものではない。その彼らに対しても、また高いお金を出して見に来ているファンに対しても失礼ではないか。

日米野球でメジャーと対戦して、その後に海を渡った選手もいる。
いくら海外旅行が手軽になり、BSやCSでライブ中継を楽しめるようになったと言っても、やはり生で見ることのできる機会はそうそうない。
いろいろ思いながら、いったい日本とアメリカの、どちらがプロ意識を持ち、ファンを大事にしているだろう。

来年もまた、何人かの日本人選手がメジャーリーグに挑戦する。
今年のようなありさまでは「なんだ日本の野球はつまらない」としか思われず、さらには衰退していく危ぐを覚える。

いったい春のあの熱狂はなんだったのだろう。

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