言葉の力2006/04/18 23:34:52

 朗読、手話、手話ソングダンス。
 わたしが取り組み、これからも続けたいと強く願っているものだ。
 これらに共通しているものがある。なんだろうか。

 答えからいうと、「言葉」である。

 聞こえる人ばかりの中で唯一難聴者であるわたしが目標としたのは、手話と組み合わせた朗読である。もちろん声を使った演技は重要だ。声だけでどんな場面なのか伝わらなければならない。難しさとともに、言葉のもつ力をまざまざと感じさせる。
 手話、手話ソングダンスは、聞こえない人たちのコミュニケーションである手話を手がかりに、表現するという手段だ。聞こえる人とはまた違った表現力を求められる。ステージ上でははっきりわかりやすく、リズミカルに表現していかなければならない。これもまた難しい。

 しかし共通しているのは言葉の力であり、無力なようにみえてその実、大きな力を持っているということだ。

 人を傷つけることも、生かし、生かされることもある、わたしたちがふだん何気なく使っている「言葉」。
 日本語では「言の葉」というけれど、たとえば木の枝から切り取られた一枚の葉のように小さな存在かもしれない。しかしその葉が人の心を動かし癒し、慰め励ます。反対に傷つけ殺しおとしめる。
 言の葉。
 聞こえないわたしだけれど普通に話せる。そして言葉で表現する力をいただいた。
 その恵みを大事に大切に、正しい目的に用いるようでありたい。