人に対するやさしさを欠いたままで2006/01/31 23:32:00

 けさの朝刊に、ホテルの偽装事件について、21都道府県50棟に上るという記事があった。なかには身障者客室が会議室に、点字ブロックが撤去されたり身障者用トイレが清涼飲料水倉庫になっているケース、身障者用駐車場が客室や更衣室、会議室になっているものもある。
 いったいぜんたいなんのために身障者用の部屋をつくったの。そもそも造る気がなかったか、あってもあとで効率から撤去したり改装しようと判断したのか。新聞報道をみる限り悪質だとしか思えない。
 当然身障者側からの抗議や反論は多く、「侮辱している」という投書まであった。

 再度言いたいのだが、この偽装を行ったホテルはビジネスホテルということだけれど、ホテルを名乗っている以上、おもてなしが大前提である。
 それを無視したり排除するのはホテルとはいえないのではないか。

 つねづね感じていたのだけど、人にやさしいというのは表向きや表面だけでは伝わらない。ぎこちなさがあってもつたなさがあっても「あなたを受け入れています」という気持ちがあれば、時間はかかるだろうけれど通じるはずだ。
 日本を訪れる旅行客のほとんどが「日本は親切な国だ」という。
 そういうイメージが広がっていけば、政治家や政治問題などを超えて真に理解される国になるのに、こういう問題が世界に広がると「ああ日本は表向きだけか」と誤ったイメージが伝わりかねない。

 外国人を迎えておもてなしをしようという「YOUKOSO JAPAN」というキャンペーンのポスターを最近見る。とてもいい運動だけど、自分たちの国のなかの、人に対するやさしさを欠いたままではとても外国人など、受け入れる以前の問題ではないだろうか。