はじめて聴いた歌2006/01/28 23:44:58

 童謡歌手の川田正子さんが亡くなられた。
 物心ついたときにはじめて聴いた歌はなんだっただろうか。
 もう思い出せないような遠い記憶の彼方だけれど、かすかに覚えているのは「みかんの花さく丘」だった。

  みかんの花が咲いている 思い出の道 丘の道
  はるかに見える 青い海  お船がぼうっと 浮かんでる

 この歌にもできたときのエピソードだとか、たくさんあるそうだけれど、あの戦争が終わって物もなにもない、未来を思い描くことさえ困難で明日をどう生きていくかで精いっぱいだった時代に、ラジオから流れる童謡がどれだけ多くの人たちのこころを揺さぶり感動させ、「たいへんな毎日だけど、明日はきっといいことがあるだろう」と立ち上がらせた。それだけでも、童謡という力で人々に与えた影響は後世にも語り継がれるはずだ。

 いま、周りを見つめているとどうしようもない暗たんたる気持ちにかられる。
 ビルの偽装建築? 金儲け? 赤字を黒字にごまかそうとした? ホテルを、違反を承知で偽装工事をした? 
 なんだよこれ。

 あきれてものがいえない。
 
 いったいこころは、いいものを残そうという良心は、どこへ消えてしまったのだろう、置き去りになってしまったのだろう。

 感動どころか、ごまかし疑い傷つける、それしかない。